「3F Training」カテゴリーアーカイブ

4回目のトレーニング指導

今日はモーグル女子選手の4回目のトレーニング指導日でした。

指導の始まりはいつものように「普段の歩行」から入ります、1回目は5月19日だったので、今日でほぼ1ヶ月が経ったことになります。

前回は帯同したコーチが変化に驚いていましたが、今回も歩き方に変化がありました。それは、意識から無意識の変化になっていたことです。

人の所作は、それぞれの遺伝子や生活環境、そして経年的なものが積み重なって出来ており、その所作の1つ「歩き方」を変えるにはトレーニングだけではなく日頃の意識が必要なのです。

指導に入る前に1回目の計測値(足部、膝、股関節、骨盤等)と比較するために再度計測したら、3Fトレーニング直後の計測値より良い値となっていました。

これは、彼女の「変えるんだ!!」という日頃の意識によって得たものだと思います。そして、この1ヶ月の経過は歩き方だけではなく姿勢にも変化が見られました。

それは、3Fトレーニングの股関節回旋運動において股関節と骨盤の協調した運動(股関節内旋=骨盤前傾、股関節外旋=骨盤後傾)が見られるようになったことです。

これは、とても重要なことで彼女の持病(腰痛)の対策になります。上記の協調運動が必要なのは協調することにより、運動時の腰椎の前弯が強くなるのを防ぐことにつながります。

そしてこれらの結果が出てきたのは、下腹部の筋膜リリース(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)の効果が現れ出したということでもあります。

アナトミートレインのSBL,SFL,SPL等の筋筋膜の脱線が起きやすい箇所が骨盤廻りです。この脱線を防ぐには、股関節と骨盤の協調運動、そして下腹部の筋膜リリースが需要だと考えています。

今日のトレーニング指導を終了して、次の課題は、胸部の筋膜リリースからの胸郭、肩甲骨の協調運動、そして腸腰筋と長内転筋の協調運動、膝関節の可動域改善となりました。

そして、次回はロードでの走行トレーニング指導を行います。梅雨も明けていることでしょうから、暑さ対策で早朝のスケジュールになりました。

始める前には、1span3ヶ月でみていたのですが、予想以上の成果が出て正直驚いています。これも彼女の日々の鍛錬の結果だと思います。

やれば、出来るのです!!

3回目のトレーニング指導

今日はモーグル女子選手の3回目のトレーニング日でした。緊急事態宣言も解除されたので長野県在住のコーチも同伴です。

まずは前回同様歩行の指導から入りました。
普通の歩行をしてもらって1回目、2回目と映像で比較を行うと明らかに良くなっていました。そしてコーチに映像で違いを見てもらい、そして今日のテーマに入りました。

今日のテーマは「足関節(足首)の強化トレーニング」です。

スキーブーツの中でどのように足関節を使うのか?を歩行練習で確認して、その感覚を3Fトレーニングへとつなげていくことを行います。

ほとんどの女子選手は男子選手に比べてハムストリングをバネのように使えません。そのことがお尻が落ちたポジションにつながるのです。

では、女子選手と男子選手とでは何が違うのか?
それは、足関節の使い方に違いがあります。(これは日本の男子選手にも共通する点はありますし、一般の方たちは大多数といって良いと思います。この問題は、日本人の生活習慣に起因するのではないかと、和式のトイレや靴を脱ぐ畳の生活などその要因ではないでしょうか。)

どうして足関節の使い方に違いが出てくるのか?
それは、骨盤の傾斜に由来すると考えています。

男子より女子の方が骨盤の傾斜が前傾しており、骨盤も女子の方が広いので自ずと股関節は内旋位となりやすい、そのことにより足部の内側で立ちやすくなります。要するにX脚になりやすいのです。

内側で立つと内側アーチが下がる方向へ荷重がかかりますが、その代謝でつま先、特に親指側の底屈(床方向へ押しつける)がおき、内側アーチを維持しようとします。

底屈とは足関節を伸ばす運動ですが、足関節を曲げる運動は背屈、要するに真逆の代謝となっているのです。(この代謝が外反母趾の要因ではないかと私は思っています。外反母趾の患者さんは女性に多いです。)

私はこのような女子特有のメカニズムが働いているのではないかと考えています。

スクワットのような腰を落とす運動のとき、当然足首を曲げなければいけません。
しかし、上記のような女子特有のメカニズムであれば重心が後退して後ろに倒れてしまいますが、そうならないために協調した運動として、足部は回内して、内側アーチを下がり、足首を曲げることが出来るようになっているのです。

足部の回内は、足部が扁平することであり、足部の関節が緩むことで、足部の関節が緩むと距骨関節も回内します。
このようなメカニズムでスキーブーツを履いて立っているのですから、足首を曲げる、使うとはブーツのタンに寄りかかっているだけといっても過言ではないのです。

モーグル競技のコブを滑る行為は、連続するブレーキ運動と落下運動に対応することです。そのためには、足部の強化は重要なのです。足元がぐらついていたらこのような連続運動に耐えられません。

そして、この足部のぐらつきが下腿三頭筋の緩みとなり、ハムの効き、バネ力を悪くしているのです。

このようなことから、今担当している女子選手には地道なトレーニングですが、コロナ禍だからこそ取り組めるトレーニング内容だと考えています。

そして、今日インソール用の足形採取を行いましたが、5月19日から開始したトレーニングの効果が早くも足形にも出ていました。
右足の第1列軸(親指の軸)の異常な底屈は改善され、左右ともに足関節の底屈による足趾の浮き指が改善されていました。足関節の底屈位の改善は足関節の使い方が良い方向に改善されているということです。

このトレーニングの効果が、今月後半に行く月山のスキーキャンプでどのように出てくるのか楽しみです。

1回目の足形
2回目の足形
右足形の比較
左足形の比較

小学校のタイヤ遊具

「タイヤ遊具」小学校の運動場の脇にありましたよね。

小学校内にある遊具が危険だから、撤去するなんて話があったので心配ですが、

今でもあるのでしょうか?

この「タイヤ遊具」の目的ご存知ですか?

脊柱側弯症と平衡機能訓練

ヒトは小学校高学年から中学生にかけ、身長が急に伸びることがあります。(膝の成長痛オスグッドもこの時期に発症します。)
そのことにより当然、急に重心の位置が高くなり、身体の安定は崩れやすくなり、これに伴い平衡機能の向上が求められることになります。

普通の児童なら、何とかこの危機を乗り越えられるのですが、重心が急に高くなったことに平衡機能ついていけなかったときにバランスが崩れ脊柱側弯症となるのです。

このことを証明したのは、耳鼻咽喉科の檜学教授と整形外科の山田憲吾教授です。

しかし、当時は児童の脊柱側弯症の原因が分かっておらず、対処療法でギブスで処置したりしていたそうです。

檜学教授が、もし仮りに側弯症が高重心化への不適性によって起こるものなら、発生年齢以前に平衡機能訓練をすれば側湾症は防げるのではないかと考えました。
この証明にはモデル校が必要です。そこでモデル校を探していたら偶然にも京都の祇園の一角にあった有済小学校があったのです。

既にこの小学校には勤務されていた高山司郎先生が設置したタイヤ遊具がありました。
校医の大本厳先生の紹介で知った檜学教授が尋ねると、児童たちが喜んで遊んでいるのを見て「平衡訓練の遊具」だと確信し、この小学校をモデル校にして研究が進んだのです。

高山先生がタイヤ遊具を作ったのも、これまた偶然に前任地の小学校で、当時、工事中であった同校にはパイプ類や廃材があり、それにタイヤを結びつけ、遊具を作ったところ児童がえらくそれに熱中して遊ぶので、転校先の有済小学校でも設置したとのことです。

このような経緯で生まれたのが「タイヤ遊具」なのですが、今でも使用されているのでしょうか?

現在、子供たちは学校の次は塾や習い事、スポーツ教室と多忙です。
まして、放課後は危険だからと学校に残って遊んでいる子供たちはいません。
このような環境の変化でも、子供の成長の過程は変わらないのです。

私は医療従事者ではありませんが、多くの子供たちを診る機会があります。
それらの子供たちの多くが、上記のような遊具で遊んで、すくすくと育ったなら障害は起きなかったのではないかと思うのです。

体育とは体の教育です。
学力も重要ですが、身体の成長に必要な体育も重要だと思います。
体育のカリキュラムをもう少し見直すべきだとも考えます。
立ち、歩き、走り、そしてゆらす、これが「体の教育」の基本だと思います。

気持ち良く走りたいですね。

私は朝起きたら、まず飼っている犬の散歩から1日が始まります。
犬の機嫌にもよりますが、1.5時間ほど歩いたり、速歩きや走ってりしています。

これがちょうどウォーミングアップ代わりとなり、帰宅後犬を置いてからが自分のジョグタイムとなります。
5kmを30分くらいのペースで、ついついペースが上がり気味になるので抑えながら無理せずに走っています。(ログでは18km/hで走っているときもあるのです。)

この走っている間は、常に試行錯誤のときでもあります。

どこに足を置くのか、重心はどのように移動させるのか、左右はどうなるのかなど考えながら走っていると、ちょうどいい塩梅が見つかるときがあるのです。
しかし、これは一過性で次の日に再現できるものではありません。

ヒトの身体の体調はその日その日で異なっており、気象条件や走るコースによっても変わってくるので当たり前なのですが、
ただ言えることは、その日も気持ちよく走りたいので、気持ちいい身体の使い方が出来るように調整しながら走っています。

今朝は、散歩の時には気にならなかった右臀部の梨状筋のストレスが走り出してすぐに気になり、股割りストレッチと外側腓腹筋とヒラメ筋のストレッチ、そして内側腓腹筋と後脛骨筋と長母趾屈筋のストレッチを行いスタートしました。
スタートしてからは、足の置く位置を調整しながら今日の気持ちの良い走りを探しながら、

日によって当然調子は違ってきます。
ストライドのある走行が出来たり、ピッチの走行になったりと変わってきます。
距離によっても異なってきますが、常に同じ走りは無いのです。

ほぼ毎日の日課なので体調によるところも出てきますが、毎日気持ちが良い走りを探している、大会に出るわけでもなく、早く走ることも求めない、それが私の基本です。

マラソン選手なら、マシンのように走ることが必要かも知れませんが、選手たちでも毎日同じように走れているかは疑問です。

ヒトは2足で走っている、これは常に不安定な状態で走っているのです。
このことは単純に骨と筋肉との関係性だけで済まされず、地球の重力や路面変化を感じるシステムがあるからこそ道路上をまっすぐ走ることが出来ます。

そして、私たち人類は走ることを諦めて二足歩行を選んだのだと考えます。
私たちの無意識の運動はこのことから歩行までが限界だと考えたら、走行はどう考えれば良いのでしょうか。

ヒトは歩行を乳児から13年間ほどかけて習得します。これはほとんどのヒトが無意識の中で完成させる行為です。しかし、走行は小学校の高学年に達しても得意不得意が生じます。これは人類が走ることを諦めたのだから当たり前なのです。

走行を習得するには、難しい問題ですね。
まずは、歩行ですね。

ヒトは歩行を無意識の行為で完成させたのです。
無意識の行為は、遺伝的なもの、環境などによって異なった結果を生むかも知れません。
しかし、健常者であれば意識の行為で修正することは可能だと考えます。

歩行の学習から始める、これが走行習得の取り組みかただと思います。
「気持ち良く走る」誰にだって可能なことなんですよ。

そうそう、今朝はリオ(うちの犬)に勝ちそうになりました。
自宅間近に車の通りの少ない直線の道路があり、散歩の締め括りはこの区間の50mダッシュなのです。今朝は最後の10mで追い抜きそうになったのです。まぁ、リオの調子が悪かったからかも知れませんが…、その直後内転筋の鼠径部の辺りが強烈に痛いです(笑)

2回目のトレーニング指導

今日はモーグル女子選手の2回目のトレーニング日でした。

前回は歩行指導で多くの時間を費やしたので今日は股関節中心のトレーニングを行いました。

まず、3Fトレーニングの目的とモーグルに置き換えるとどのようになるのか?の説明から始め、身体の再構築を行うには現在の股関節の転位がどのようになっているのか?を本人に知ってもらうことが今日のテーマです。

そのために実際に3Fトレーニングを行いながら身体で感じてもらうのと同時に映像でチェックすることの繰り返しで進行しました。

3Fトレーニングは摩擦と平面を排除して行うトレーニングなので、動作を行なってもらうと堅調に左右の差が出て来ました。股関節も足関節も、そして筋肉のバランスも明確に出てきました。

しかし、これらのバランスの狂いを指摘しますが、調整することの指導は行いません。

なぜなら、摩擦と平面を排除した状況下では身体は素のままの状態でした表現できないからです。

しかし、このトレーニングは毎日繰り返し行うことによって身体を中間位、中心へと自ずと導いてくれます。

根気が入りますが、ヒトの身体は経年で歪みが出てきたり、怪我で歪みが出てバランスが崩れているのですから長い目で取り組む必要があるのです。

だから、このコロナ禍の状況では適したトレーニングなのです。何せ畳一畳分のスペースがあればどこでも可能なのですから、

そして、今日追加したメニューは腹筋筋膜リリーストレーニングです。このトレーニングも股関節トレーニングの道具で同じようにスペースも入らずにできます。

筋膜リリースする箇所は、おへその下、下腹部です。意識としてはへそ下3cmくらいのところです。この場所は腹直筋、腹斜筋、腹横筋の4本の腹筋が重なっている、そして動かしにくい場所なので癒着しやすい箇所です。

このトレーニングを行うとリリースされるのですから最初は痛いです。痛みの表現としては傷のかさぶたを剥がす感じで、筋肉へのダメージはないので翌日筋肉痛になっていることはありません。

モーグルのコブ斜面を滑るとき多くの選手が骨盤のローテーションが出てきますが、その対策にも効果的です。
この筋膜リリーストレーニングは、回数を重ねてくると胸郭、肩甲骨の意識ができるようになり、更なる効果が出てきます。

今日はそこまで行きませんが、このトレーニングも根気よく続けることで結果は自ずと現れてきますので、慌てないことです。

そして、ようやく前回の歩行のチェックと指導に掛かりました。
まず、歩いてもらうと1週間の成果が見え、次への課題も出てきました。

歩行は常に意識するだけで結果の見えやすいトレーニング方法なのですが、股関節の転位によって結果の出方が変わってきますので3Fトレーニングと合わせて行うことが重要なのです。

そして最後は、3Fトレーニングとは異なりますが、左右の股関節廻りの筋肉の改善トレーニングです。

スロースクワット(10秒かけてお尻を落とし、その姿勢で10秒維持して元に戻る、10回を3セット)を指導しました。1週間に2回、3ヶ月すると筋肉の質に変化が出てきます。ピントレで検索して頂いたら出てきます。このピントレの応用です。バランスディスクの上で行っても良いと思います。実際スロープスタイル選手はバランスディスク派です。

こんな感じであっという間に2時間が経過して終了です。
次回は月山に入る前に行い、そして下山したらまたトレーニングを開始します。
おそらく月山である程度の結果が見えてくると思いますので、そうなると本人も更にやる気が出てくるのを期待したいところです。

明日から緊急事値宣言も全国的に解除されるそうです。
今まで通りにはいかないでしょうが、少しでも前に進めるしかない、
New naturalで目指しましょう。

股関節と膝関節

3Fトレーニングは転位した股関節を中間位に導くトレーニングです。

なぜ股関節を中間位に保たねばならないのか?

人には右利き、左利きがあります。(話が逸れますが、犬にもあるようで当家のリオは右利きのようです。)
この右利き、左利きの定義は今までなかったのですが、MDrの発表される私のインソールの臨床論文では定義付けして発表されるとのことです。
私の定義付けは足部の踵骨の内反角の大きい方が利き足としています。

右利きの場合、右足の踵骨の内反角が大きく利き足となり軸足は反対の左足となります。内反角が大きいと左右釣り合うために代償が必要になり、その代償は距骨下関節にて行われます。距骨下関節が回内することにより股関節の外旋を改善でき、回内することにより踵骨の内反角が改善され左右の脚の長さも調整できるのです。

このようなことを私たちは身体で感じることは殆どありません。身体の自動調整機構のようなものだと思って下さい。

殆どの方はこの自動調整機構で調整されることでほぼ正常な身体を手に入れていますが、踵骨の内反角が異常に大きく距骨下関節において代償ができない場合には障害が出て来ます。大なり小なり代償出来ていないケースが殆どですが生活に支障を来している方は少ないです。

ただ長い期間においてこの不完全な代償が影響を与えるところがあります、それは股関節です。

先ほどの踵骨の内反角からの距骨下関節の代償に戻ります。内反角が大きいと距骨下関節の回内が起きます。回内は内滑りなので脛腓・距骨関節(足関節)は内旋し、膝関節を介して大腿骨から股関節の内旋が起きます。それと同時に足部第1軸の底屈も起きます。

本来であれば踵骨の内反は股関節の外旋を生じるのですが、内反角が大きいため代償が起き股関節の内旋という真逆な運動を強いられるのが利き足の宿命なのです。(もし代償が起きなかった場合は当然股関節の外旋が起きるので姿勢を保つための骨盤の異常な前傾が起き、ストレスは大腿骨の捻転などにつながります。)

利き足の股関節の内旋は、軸足側に影響が出て来ます。協調ということで軸足側の股関節は外旋します。もし同調して同じように内旋した場合、骨盤は異常な前傾が起き腰椎の異常な前弯となります。許容範囲の中でどちらかを本人の意志なく選ばれていると思って下さい。

軸足の股関節外旋の代償は足部の回内となります、要するに軸足の足部は扁平するということです。

正常でも上記のようなメカニズムが多少なりとも発生しています。この現象が長期に渡って起きていると経年的な障害が発生するのです。

これらのことは何かの障害(骨折、靭帯断裂、肉離れ、疲労など)が起きた場合にも異常な状態となります。だからリハビリが重要なのです。

下図は膝関節の状態を表していますが、この図に股関節の状態を補足しますと、正常膝は股関節中間位で上肢は垂直を保ちます。内反膝は股関節外旋位で上肢はバランスを取るために左側に傾きます。外反膝は股関節内旋位で上肢はバランスを取るために右側に傾きます。

これらの図は片足立ちを表していますが、もし両足で立っているとしたら踵骨の代償で説明したようになります。内反膝は股関節内旋位、外反膝は股関節外旋位となるのです。なぜなら、重心は左右のほぼ中心にキープすることが立位だからです。

踵骨の異常な内反はインソールにて改善できます。インソールは踵骨の改善を行うと共に股関節の転位の改善することは可能ですが、更に3Fトレーニングにおいての運動を追加することにより相乗効果を生み出しています。

次回は脊柱編へ

歩行の出発点

私たちは何も考えずに歩き、立ち止まり、そして再び歩き出すことを行っています。

しかしこの歩き出す1歩は「歩行の出発点」ではなく、それ以前に行っている何気ない体重移動が「歩行の出発点」なのです。

この「歩行の出発点」が正常に出来ているのかが問題なのです。

まずは「カパンジー機能解剖学Ⅱ下肢」より抜粋してこの「歩行の出発点」を説明します。

人が立って静止しているときでは、体重は左右の2つの足に均等に分配されています。
これでは片方の足を進めるために片方の足を持ち上げることは不可能です。

歩行の出発点はまず荷重分配を調整することから始まります。
それは片方の足を持ち上げるために体重をもう片方の足へ移動させる必要があります。

一般的には右利きの人は右足から踏み出します。
その右足を踏み出すためには左足に体重を移動させる必要があるのです。

その体重移動のメカニズムは下図の番号順となります。

まず左足に体重を移動させるための第1段階は
①左の内転筋の収縮によって②骨盤は左側へ移動します。同時に③小中殿筋の収縮によって④骨盤の右半分が持ち上がり、したがって⑤重心は左へ移動します。

この一連の動作によって右足は体重の負荷から解放されるのです。

次は右足が前に出る第2段階です。
足が前に出るために⑥ハムストリングスの収縮が⑦骨盤を前方へ推進させ、前方の不均衡が生じ、これが右足の前方への1歩の始まりです。

この運動は左足関節の屈曲を制限する⑧左下腿三頭筋の収縮によって制限されます。
同時に右股関節の筋肉群は⑨右膝を前方へ推進し、⑩右足関節の屈筋群はすでに重心移動で挙上されているe右足のつま先を持ち上げスムーズに1歩が出るのです。

eこの足のつま先を持ち上げるのは極めて重要で、この動作が地面との接触を回避して転ぶのを防ぐのです。

これが「歩行の出発点」のメカニズムです。
このような動作を何も考えずに正確に行えるには乳児から幼児期を経て小学年の高学年までの長い期間を要します。

乳児から幼児期にかけてのハイハイ運動は股関節廻りの筋肉の鍛錬期間です。
ハイハイ運動期間が短かった子供は内転筋の発達が悪くなり外反膝などの障害が起きやすくなります。
早く立たせることをせずに自立するまで見守ることが親の役目なのでしょう。

歩行中は「歩行の出発点第1段階」は省かれます。
それは足の運び(ステップ)が適正であれば「歩行の出発点第2段階」の動作が連動して行われて歩行が完成します。

歩行の完成に必要不可欠なのは「股関節の機能と転位」です。
この「股関節の機能と転位」を改善するのが「3Fトレーニング」です。

次回は「股関節と膝関節の関係」について書きます。

足底を支える筋…。

まだまだコロナ禍ではありますが、

今日から女子モーグル選手のトレーニングを開始しました。

この選手のテーマは「足関節が使える」ようになること、

日本の殆どの女子選手(男子選手にも多い)は民族的な理由なのか足関節、足首が使えません。

足首が使えない? えっと思われるかも知れませんので…、

本来の足首の使い方が出来ていないと言い換えましょう。

足首、足関節は距腿関節です。

距腿関節は字の通り、距骨(踵骨の上の骨)とその上の下腿(脛骨)から成り立っている関節ですが、実際には2つの関節で構成されています。

1つは底屈(足首を伸ばす)、背屈(足首を曲げる)で機能する脛腓・距腿関節と

2つ目は内反(内側アーチが挙がる)、外反(アーチが扁平になる)と呼ばれる運動で機能する距骨下関節からなります。

上記の足首が使えていないとはこの2つの関節をゴッチャにした使い方をしていることです。

足部の足底には3つのアーチがあります、内側アーチ、外側アーチ、前方アーチの3つです。

内側アーチは人体と筋肉がなければその凹を維持出来ません。

外側アーチは下腿三頭筋の動力を伝達するために強固となっています。

前方アーチは5つの中足骨の列の結果です。

下腿三頭筋の動力を如何に足底に伝達するか?

足首はどのような機能を持てば良いのか?

もうお分かりだと思います。

そうです足首の関節の1つ脛腓・距腿関節を有効に使うことなのです。

これが足首の使い方です。

そこで重要なのが図で表している、足底腱の1つ外側バンド(Lateral band)なのです。

この外側バンドが有効に働き足首の運動を支えないと最も長く、直立することに大して最も重要な筋筋膜のSBL(スーパーフィシャル・バックライン)にも影響を与えてしまいます。

今日のトレーニングは「歩行指導」でこの外側バンドを刺激する歩行エキササイズが殆どでした。

積木は積み重ねて行ってもきっちりと歪みを修正しながら行わなければ途中で崩れるか、それ以上積み上げることが出来なくなってしまいます。

この外側バンドに刺激を入れて足底の安定を行うことはズバリこの積木の修正と同じで身体全体を整えることにつながるのです。

外側バンドは足底腱の一部ですが、足趾につながる5本の足底腱とは別に第5列を支えています。

第5列に2本の足底腱がつながっているのは、如何に第5列が人間の直立及び2足歩行に絡んでいるかをうかがわせています。

原点…。

ヒトの足とは・・・。

1.ヒトの足は、どのように進化してきたのか・・・。
2.足本来の役目はどうなのか・・・。
3.足と筋肉の関係は・・・。

ヒトは四足から2足へ進化する過程において、足部は進化して、四足の動物とは異なったものとなっています。(ヒトの踵は四足の動物には見られい等・・・。)

自然界の二足の動物といえば、鳥類がいます。しかし、この鳥類とも同じではありません。(おそらく、移動手段の違いにより異なる・・・。)

どのようにして、人の足は今の形状、仕組みになったのか、定かではありませんが。言えることは、ヒトは2足で立ち、2足で移動するという繰り返しにより、“安定と不安定”という相反するものを手に入れる結果となったのだ考えられます。

人の足は、このような経過で進化したとしたら、人の筋肉、特に骨格筋類は同じくこのような経過で進化し、出来たものではないでしょうか。

しかし、ヒトは知恵を持つようになると足を保護するようになり(靴等の発明)、そして、ヒトは文明を持つようになると『歩くという運動』が日常的に少なくなり(移動の手段の進歩)、ヒトの本来の足の役目は、立つことのみへと退化しつつあります。

でんくらふとは、本来持っているヒトの足の役目を復活させることが大切であると考えています。言うなれば『はだし』という自然の状態を見直し、足の役目を再認識することが大切です。

“砂浜で、芝生の上で、はだしで歩いてみましょう。”

最初のうちは、足が痛かったりして不快を感じますが、慣れてくると、のびのびとした気持ちになってきます。姿勢も良くなり、足の指も自由に動いていることに気付かれることでしょう。

『足の指を使いながら歩くこと』 非常に単純ですが、これがヒトの足の運動の基本であると考えます。今日からでも初めて見てください。

1ヶ月後、何らかの変化が・・・。3ヶ月後、大きな変化が・・・。期待に値する効果が現れるでしょう。

私の考え方の原点です・・・。

10数年も前のことでしょうか、
自宅の近くの図書館でこの本に出会い、ひたすらに読み漁った時がありました。

ヒトは身体を固定して立っているのではなく、揺れながら立っているのである・・・。

この文章の 揺れながら立っている に無性に惹かれるものがあったのだと思います。

これを解剖学的考察に繋げ、今のインソールに至るにはさらに5,6年の年月が経ちましたが、今でも私の考え方の原点はここにあると思います。

追記
この本の第7章に脊柱側わん症と平衡機能訓練の項目があり、内容は学校教育の中での取り組みが書かれています。

しかし現在、このことが疎かになっているような気がしています。
今の子供達、将来の子供達のことを考えると ・・・。