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ご自身の足(下肢)を観察したことがありますか?

コラムの更新、大分ご無沙汰していました。
書きたいテーマがあっても中々時間がとれなかった(言い訳ですが、)ので、今に至りました。
今回は、テーマを先に挙げて自分自身に課したいと思います。

今回は前書きです。

『ご自身の足(下肢)を観察したことがありますか?』

椅子に座り、鏡の前に立って、ご自身の足を観察して下さい。
膝がO脚、X脚、足部(足首より下)が扁平足、凹足(ハイアーチ)と見た眼的なものは、判断できると思います。

しかし、これらの状態には、複雑な身体の要因があることには当然ですが、ほとんどの方が気がついてはいらっしゃらないと思います。
それは当たり前で、通常の生活の中で形成されてきた身体であり、今でも、そして過去にも何ら不自由しなかったからです。(支障なければ問題なく、疑問も起こらない)

しかし、足部、下肢を効力(落下エネルギー、遠心力等)に対してある意味固定する必要性があるスキー、スノーボードのようなスポーツにおいては影響がでてきます。

日常生活、及び他のスポーツでは問題がなかったのに、どうしてスキー、スノーボードでは問題がでてくるのか?
ここにヒトの身体のシステム(身体の協調や運動連鎖など)の影響が問題となってきます。スキーブーツを履くだけでも、スノーボードの足を固定するアングルだけでも、この身体のシステムは働きます。
そのことにより、身体の協調が失われ正しい運動連鎖が起きにくくなります。

だから、スキーブーツへの足入れはデリケートな要素を持っているのです。
スノードードの足を固定するアングルにも然りです。

次回以降の予告です。
第1回、スキーブーツ編、扁平足、凹足のヒトが同じブーツを履いたらどうなるのか?
第2回、スキーブーツ編、カント調整(膝の位置)なんか無視すれば良い。
第3回、スノーボード編、扁平足、凹足のヒトがスノーボードを行うとどのような弊害(技術的)が起きるのか?

できるだけ書き続けて言うつもりですが…。
頑張ります。

足部のアーチとは・・・。Ⅱ

足部のアーチについてもう一言付け加えます。

足部のアーチは、人の重心の移動に寄って変化すると言いましたが、逆に考えると足部のアーチを変化させて重心移動を行うと言うことです。

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上の写真は、カパンディ(今は、カパンジーとなっています。)関節の生理学Ⅱ下肢の内足アーチのページを写したものです。
この図は、アーチの構成とアーチを形成している筋肉のベクトルを表したものですが、アーチを形成している筋肉の働きは、ただ単純にアーチのを形成しているのではなく、アーチを変化させることが出来ることを明確にしています。

何を言いたいか?

人のアーチはただ単純に体重を支えるだけのものでは無く、重心の移動と言う大きな役割を持っています。しかし、現代人(特にアジア系)は、履物の変化(わらじ、下駄>靴)、生活の変化(歩く道が土の道>アスファルトの道)によって足部のアーチのメカニズムを利用すること無く歩くことが可能となり、アーチ本来のメカニズムが退化へと進んでいると考えます。

人の足部のアーチのメカニズムは、
地球の重力と空気に支配されていると思います。要するに、体重を支え、そして地面の摩擦を利用しているメカニズムと言うことです。

真冬の凍った道路を歩く時、どうでしょうか?
人を背負って、砂浜を歩く時、どうでしょうか?

おそらく、このような状況の時には、人本来の機能(アーチのメカニズム)が発揮されるでしょう。しかし、日常に帰ると・・・。

人のこのようなメカニズムは、文明(工業化など)と共に退化しているように思います。なぜならば、立ち続けて8時間(途中休憩はありますが、)の作業も慣れれば苦にはならなくなる、このことは人の身体に省エネモードが働いているからなのです。

人だから出来ること?
いや、そうばかりとは言えないこともあるので、次回書きましょう。(発展途上国の人々が日本人と同じように、勤勉に労働時間を守り、座り続けて、立ち続けて作業をすることが出来るでしょうか?)

そして、
地球上の重力と空気、人が生きていくために必要なことです。
そのことによって生じる“人と重力の関係”、“人と摩擦の関係”を人の足部及び下肢の運動について考えたいと思います。

テーマは、
・人が重力に対抗して動く(歩く)には、どの筋肉がスタートなのか?
・人は摩擦を感じることから運動が始まる。(皮膚運動学も含んで)

こう書くと、気難しくなりますが、解りやすく書きたいと思います。

 

人の足部にはアーチは存在しない。

人の足部には、アーチは存在しません。

こう書くと異論を唱える人が多々見えると思います。ならば、こう書きましょう。

人の足部は、27個の骨にて構成されています。(頸骨は除いてあります。種子骨が2個ありますので、アーチを形成しているのは、残りの25個の骨で構成している関節群なのです。
この関節群は、重心の移動や静的安定性に対して常に運動しています。要するにアーチは常に変化しているのであって、ブリッジ(橋)ののような固定物では無いということを言いたいのです。

しかし現存する多くのインソールは、このアーチを強調したものになっています。ここも反論が有ると思いますので、補足しましょう。
足部は、サポートする部位とフリーにしなければいけない部位が有ると言うことです。

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上の写真のように、でんくらふとのインソールは、サポートする部位とフリーにする部位を明確にしています。

なぜならば、人の重心を足部は常に状況に応じて適正に保たねばならないからです。

多くの方々に、腰や膝などに傷害が出てきたり、スポーツ等のパフォーマンスに支障が出てくる理由は、上記の足部の重心移動のメカニズムに問題がある考えています。

そのためには、足部への適正なサポート(形状的では無く、筋肉への刺激)が必要なのです。人の身体は、適正な刺激を与えると治癒的能力が働きます。(足部を強制的なサポートを行うと真逆の作用が発生します。)

カスタマーの足形採取の前に、カスタマー観察といっしょにテッシュマジック(テッシュペーパーで足部の部位に刺激を与える)を行いますが、その時に激変するご自身の身体の変化にカスタマー自身びっくりされます。しかし、これはマジックではなく、カスタマー自身の治癒的能力なのです。

人は骨では無く、筋肉で立っていることの証なのです。

 

足形から見えるものⅢ

ここに二人の足形が有ります。
左は、今回のソチオリンピックに出場したSPスケートの選手の物、
右は、教師(実習などでトレーニングの時間が作れないので)になるのを諦めて次の平昌オリンピック出場を目標にしている現役大学生選手のものです。

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左の足形の選手は4年間私のインソールを使用し続けていますので、年々改善された足形になってきています。
右の足形の選手は、大学3年生なので私のインソールを使用して2年間が経過し、1年生のときとは比べ物にならない位変化があります。

しかし、両選手とも左足に比較すると右足に難点があります。
同じような欠点なのですが、足部の運動機能が全く逆なのでスケーティングへの影響は異なって来ます。

このような欠点を足形から判断してインソールの製作を行います。
特にバランス系のスポーツに関しては、足部の状態から来る運動への影響は見逃せません。なぜならば、スキーブーツやスケート靴のような道具を使うスポーツは、足部を少なからず固定化するからです。

スケート靴は、足形からカーボン繊維を焼いて製作します。素足状態に近い足形で製作しますので、スペースが限られています。なので0.何ミリ単位の補正しか出来ませんが、やるやら無いでは大きな違い(タイム)が出てきます。
そして、足部の運動改善を足裏で行ったら、足部の運動が出来るスペースを作ることも重要です。ある選手の場合は、レントゲン写真を撮り検討したこともありました。

同じように、スキーブーツでも行う必要性はあります。しかし、スケート靴のように極端に細かい作業ではありません。なぜならば、スケート靴の刃の幅は1.5mm、スキーの幅は狭くても66mm位はありますので、少しルーズに考えても良いのです。

足形の見方など、専門的なことは書きませんが、このように細かなデーターのもとでインソールは製作しています。本人の生の足裏で作るインソールとは大きな違いがあります。

カスタムインソールとは、このような機能的なインソールだと思います。

 

足形から見えるものⅡ

足形から見えるものⅡ

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上の写真の足形は2011年(中央の白い物)と2014年のものです。

石膏型の乾燥による収縮等の 影響で2011年の足形が小さく見えますが、
全体像のバランスで比較すると、この三年間の足形の変化が見えて来ます。

左足(右側二つ)変化は少ないですが、右足(左側二つ)は大きな変化が見えます。
踵骨の大きさ、内足側アーチの変化などで、右足の重心の変化及び股関節の転位の変化が見えます。

このカスタマーは、この三年間で大きな変化があったと言うことになります。
足形採取の時、身体のアライメントの変化が見られたのでお聞きすると、

右足足関節の骨折(腓骨骨折>手術)があったとのことでした。
足形から見て、腓骨筋群の機能不全による外側アーチの低下が考えられました。

左右とも言えることは、足形採取のとき前足部(つま先)の形状が採れにくかったことも問題があります。
そのことは、足関節が底屈運動で行われている可能性があります。
要するに、踵よりの重心となります。しかし、立位はつま先に体重が掛かった立ち方となります。

右足は過去の頸骨、腓骨骨折により、左足は過去の腓骨骨折により足部のバランスが崩れているのです。
ここまでは私の見解であり、医学的根拠はありません。

私がこのカスタマーに勧めたのは、医学的根拠を確かめるためのメディカルチェックでした。
ご本人もこの数年の身体の異状に気づかれていて、
是非と言うことだったので某病院のMドクターをご紹介致しました。

このカスタマーのように、インソールで全て解決出来ることではありません。
まず、病院でのメディカルチェックを行い、適正なリハビリテーションを受けることが重要です。

そして、でんくらふとのインソールは適正なバランスの位置を知らしめる道具だと言うことです。

このように石膏の足形は、このように過去の傷害歴まで伝えています。

足形から見えるもの

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石膏の足形から見えてくるもの、

足形には色々な表情があります。
踵の大きさ、形状やアーチの状態、そして指の形状など、
人それぞれに異なり、左右でも異なります。

これらの表情は、カスタマーの身体のアライメントや筋肉のバランスを物語っています。

この素の表情を変える作業がカービング(彫刻)なのです。
このカービング作業は、闇雲にやっているのではなく根拠があります。

この根拠は、足形採取の時のチェック作業で決まります。
現時点のカスタマーのチックのみならず、過去の経歴(傷害等)まで遡ります。

何故なら、現時点の状態チェックだけで終わると対処法にしかならないからです。
恒久的な改善を行うには、過去まで遡ることが重要です。

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当然、五本の指の深さもチェックします。
足部の筋肉の作用がどうなっているのか?も重要だからです。

フットプリントや足部面圧測定では解らないことが足形には三次元で現れています。
アナログな取り組みですが、インソールの製作には最も重要なファクターなのです。

このような作業行程を経て、ようやくインソールの成形型が出来上がります。
インソールの製作の中で、最も繊細で、最も時間を費やす行程がこの作業です。

次回は、インソールが出来上がるまでをお伝えします。