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股関節と膝関節

3Fトレーニングは転位した股関節を中間位に導くトレーニングです。

なぜ股関節を中間位に保たねばならないのか?

人には右利き、左利きがあります。(話が逸れますが、犬にもあるようで当家のリオは右利きのようです。)
この右利き、左利きの定義は今までなかったのですが、MDrの発表される私のインソールの臨床論文では定義付けして発表されるとのことです。
私の定義付けは足部の踵骨の内反角の大きい方が利き足としています。

右利きの場合、右足の踵骨の内反角が大きく利き足となり軸足は反対の左足となります。内反角が大きいと左右釣り合うために代償が必要になり、その代償は距骨下関節にて行われます。距骨下関節が回内することにより股関節の外旋を改善でき、回内することにより踵骨の内反角が改善され左右の脚の長さも調整できるのです。

このようなことを私たちは身体で感じることは殆どありません。身体の自動調整機構のようなものだと思って下さい。

殆どの方はこの自動調整機構で調整されることでほぼ正常な身体を手に入れていますが、踵骨の内反角が異常に大きく距骨下関節において代償ができない場合には障害が出て来ます。大なり小なり代償出来ていないケースが殆どですが生活に支障を来している方は少ないです。

ただ長い期間においてこの不完全な代償が影響を与えるところがあります、それは股関節です。

先ほどの踵骨の内反角からの距骨下関節の代償に戻ります。内反角が大きいと距骨下関節の回内が起きます。回内は内滑りなので脛腓・距骨関節(足関節)は内旋し、膝関節を介して大腿骨から股関節の内旋が起きます。それと同時に足部第1軸の底屈も起きます。

本来であれば踵骨の内反は股関節の外旋を生じるのですが、内反角が大きいため代償が起き股関節の内旋という真逆な運動を強いられるのが利き足の宿命なのです。(もし代償が起きなかった場合は当然股関節の外旋が起きるので姿勢を保つための骨盤の異常な前傾が起き、ストレスは大腿骨の捻転などにつながります。)

利き足の股関節の内旋は、軸足側に影響が出て来ます。協調ということで軸足側の股関節は外旋します。もし同調して同じように内旋した場合、骨盤は異常な前傾が起き腰椎の異常な前弯となります。許容範囲の中でどちらかを本人の意志なく選ばれていると思って下さい。

軸足の股関節外旋の代償は足部の回内となります、要するに軸足の足部は扁平するということです。

正常でも上記のようなメカニズムが多少なりとも発生しています。この現象が長期に渡って起きていると経年的な障害が発生するのです。

これらのことは何かの障害(骨折、靭帯断裂、肉離れ、疲労など)が起きた場合にも異常な状態となります。だからリハビリが重要なのです。

下図は膝関節の状態を表していますが、この図に股関節の状態を補足しますと、正常膝は股関節中間位で上肢は垂直を保ちます。内反膝は股関節外旋位で上肢はバランスを取るために左側に傾きます。外反膝は股関節内旋位で上肢はバランスを取るために右側に傾きます。

これらの図は片足立ちを表していますが、もし両足で立っているとしたら踵骨の代償で説明したようになります。内反膝は股関節内旋位、外反膝は股関節外旋位となるのです。なぜなら、重心は左右のほぼ中心にキープすることが立位だからです。

踵骨の異常な内反はインソールにて改善できます。インソールは踵骨の改善を行うと共に股関節の転位の改善することは可能ですが、更に3Fトレーニングにおいての運動を追加することにより相乗効果を生み出しています。

次回は脊柱編へ

歩行の出発点

私たちは何も考えずに歩き、立ち止まり、そして再び歩き出すことを行っています。

しかしこの歩き出す1歩は「歩行の出発点」ではなく、それ以前に行っている何気ない体重移動が「歩行の出発点」なのです。

この「歩行の出発点」が正常に出来ているのかが問題なのです。

まずは「カパンジー機能解剖学Ⅱ下肢」より抜粋してこの「歩行の出発点」を説明します。

人が立って静止しているときでは、体重は左右の2つの足に均等に分配されています。
これでは片方の足を進めるために片方の足を持ち上げることは不可能です。

歩行の出発点はまず荷重分配を調整することから始まります。
それは片方の足を持ち上げるために体重をもう片方の足へ移動させる必要があります。

一般的には右利きの人は右足から踏み出します。
その右足を踏み出すためには左足に体重を移動させる必要があるのです。

その体重移動のメカニズムは下図の番号順となります。

まず左足に体重を移動させるための第1段階は
①左の内転筋の収縮によって②骨盤は左側へ移動します。同時に③小中殿筋の収縮によって④骨盤の右半分が持ち上がり、したがって⑤重心は左へ移動します。

この一連の動作によって右足は体重の負荷から解放されるのです。

次は右足が前に出る第2段階です。
足が前に出るために⑥ハムストリングスの収縮が⑦骨盤を前方へ推進させ、前方の不均衡が生じ、これが右足の前方への1歩の始まりです。

この運動は左足関節の屈曲を制限する⑧左下腿三頭筋の収縮によって制限されます。
同時に右股関節の筋肉群は⑨右膝を前方へ推進し、⑩右足関節の屈筋群はすでに重心移動で挙上されているe右足のつま先を持ち上げスムーズに1歩が出るのです。

eこの足のつま先を持ち上げるのは極めて重要で、この動作が地面との接触を回避して転ぶのを防ぐのです。

これが「歩行の出発点」のメカニズムです。
このような動作を何も考えずに正確に行えるには乳児から幼児期を経て小学年の高学年までの長い期間を要します。

乳児から幼児期にかけてのハイハイ運動は股関節廻りの筋肉の鍛錬期間です。
ハイハイ運動期間が短かった子供は内転筋の発達が悪くなり外反膝などの障害が起きやすくなります。
早く立たせることをせずに自立するまで見守ることが親の役目なのでしょう。

歩行中は「歩行の出発点第1段階」は省かれます。
それは足の運び(ステップ)が適正であれば「歩行の出発点第2段階」の動作が連動して行われて歩行が完成します。

歩行の完成に必要不可欠なのは「股関節の機能と転位」です。
この「股関節の機能と転位」を改善するのが「3Fトレーニング」です。

次回は「股関節と膝関節の関係」について書きます。