原点…。

歩くとは・・・。

人間が歩くという動作は、2本の足を交互に前に出し前方に移動することです。これは当たりまえのようで、この左右の足を交互に出すという動作は、きわめて巧妙にしくまれた神経・筋・骨格系の機能と機構ができあがってはじめて可能となっているのです。

二足歩行のロボットの製作は古くから多くの試みがなされています。
しかし、いまだに人間のような歩行のできるロボットは完成していません。
左右の足を交互に前に出すということは、交互に片足で立ちバランスを取りながら、もう一方の足を前に振り出すということである。
この片足で立ちバランスを取りながら移動するというところがロボットにはきわめて難しいのであす。
重心の移動のコントロールができず、倒れてしまうからです。
人間の場合は、それをまったく意識せずに簡単にやってのけています。

ここにせぼねの秘密が隠されているのです。

一歩ごとに横に曲がるせぼね

骨盤とせぼねの関係を、帆船の船体とマストに例えることがある。
そして、マストを支える綱やワイヤーがせぼねについている幾つ物筋肉に例えられる。

この例えは、まっすぐに立っている静的な上体では妥当かもしれないが、歩くような動的な状態では適切ではありまん。
帆船では、船体が傾くとマストもいっしょに傾く、せぼねがもし帆船のマストのように骨盤から垂直な状態で固定された動かないものであれば、一歩ごとに骨盤が左右に傾くのにあわせてせぼねも傾く、せぼねの上端にある頭は、より大きく左右に動きます。
人間が皆このような歩き方をしていたら、雑踏のなかでは人と人との衝突がたえまなく起こるでしょう。

人間はこのような歩き方をしていないのです。

肩と頭の位置をつねに一定にして歩いている、一歩ごとに骨盤が傾いても、せぼねは傾かないのです。

歩行時は、骨盤と腰(腰椎部)は足を上げて方向に傾くが、背中(胸椎)の部分にはそれを打ち消す反対側への曲がり(側彎)が生じる、人間はこのように1歩ごとにせぼねの側彎を作り変えながら安定したバランスの良い歩行を実現している。ロボットの歩行にはこの側彎はないのです。