小学校のタイヤ遊具

「タイヤ遊具」小学校の運動場の脇にありましたよね。

小学校内にある遊具が危険だから、撤去するなんて話があったので心配ですが、

今でもあるのでしょうか?

この「タイヤ遊具」の目的ご存知ですか?

脊柱側弯症と平衡機能訓練

ヒトは小学校高学年から中学生にかけ、身長が急に伸びることがあります。(膝の成長痛オスグッドもこの時期に発症します。)
そのことにより当然、急に重心の位置が高くなり、身体の安定は崩れやすくなり、これに伴い平衡機能の向上が求められることになります。

普通の児童なら、何とかこの危機を乗り越えられるのですが、重心が急に高くなったことに平衡機能ついていけなかったときにバランスが崩れ脊柱側弯症となるのです。

このことを証明したのは、耳鼻咽喉科の檜学教授と整形外科の山田憲吾教授です。

しかし、当時は児童の脊柱側弯症の原因が分かっておらず、対処療法でギブスで処置したりしていたそうです。

檜学教授が、もし仮りに側弯症が高重心化への不適性によって起こるものなら、発生年齢以前に平衡機能訓練をすれば側湾症は防げるのではないかと考えました。
この証明にはモデル校が必要です。そこでモデル校を探していたら偶然にも京都の祇園の一角にあった有済小学校があったのです。

既にこの小学校には勤務されていた高山司郎先生が設置したタイヤ遊具がありました。
校医の大本厳先生の紹介で知った檜学教授が尋ねると、児童たちが喜んで遊んでいるのを見て「平衡訓練の遊具」だと確信し、この小学校をモデル校にして研究が進んだのです。

高山先生がタイヤ遊具を作ったのも、これまた偶然に前任地の小学校で、当時、工事中であった同校にはパイプ類や廃材があり、それにタイヤを結びつけ、遊具を作ったところ児童がえらくそれに熱中して遊ぶので、転校先の有済小学校でも設置したとのことです。

このような経緯で生まれたのが「タイヤ遊具」なのですが、今でも使用されているのでしょうか?

現在、子供たちは学校の次は塾や習い事、スポーツ教室と多忙です。
まして、放課後は危険だからと学校に残って遊んでいる子供たちはいません。
このような環境の変化でも、子供の成長の過程は変わらないのです。

私は医療従事者ではありませんが、多くの子供たちを診る機会があります。
それらの子供たちの多くが、上記のような遊具で遊んで、すくすくと育ったなら障害は起きなかったのではないかと思うのです。

体育とは体の教育です。
学力も重要ですが、身体の成長に必要な体育も重要だと思います。
体育のカリキュラムをもう少し見直すべきだとも考えます。
立ち、歩き、走り、そしてゆらす、これが「体の教育」の基本だと思います。